20160808Daikiアコワンマン2部.00_24_34_11.Still001
Category: Nobody’s Songs

『紙飛行機』

夏の夕暮れの匂いがしてた

誰もいない教室の窓際、二人で空を見上げてた

遠くからブラスバンドの音が聴こえてた

君の横顔を西日が赤く照らしてた

もうすぐ夏休みも終わる

秋が来て、冬が過ぎて、春が来れば、僕達は卒業する

君の夢は、海外で英語を勉強する事
揺るぎない意志が声からも溢れてた

僕の夢は、バンドを組んでスターになる事
なんて・・・ね、と半分、冗談めかして君に呟いた

君の反応が気になって、本当は心臓が破裂しそうだった

初めて口にした夢だったから・・・

暫くの沈黙の後、君は優しく頷いてくれた

秋が来て、冬が過ぎて、春が来れば、僕達は卒業する

秋の街路樹、クリスマスの観覧車、最後のバレンタイン
二人だけの想い出を沢山分け合った

それぞれの胸で膨らむ夢を、聴かせ合う事で
もうすぐ訪れる別れの寂しさを、誤魔化していた

卒業式の夜、最後のキスの後、泣きじゃくる君とホームで別れた

柔かな風と桜が舞う季節、僕達は別々の道を歩き始めた

あれから・・・10年

慌ただしい雑踏の中で、もがきながらも、僕らしく生きてるよ
まだ夢の途中だけど、それでも、僕らしく生きてるよ

懐かしい風の匂いが、鼻先をくすぐる時がある
ふと、立ち止まり、空を見上げ、瞼を閉じてみる

心のスクリーンに、ゆっくりと滑り落ちる、あの日の場面

夏の夕暮れの匂いがしてた

誰もいない教室の窓際、二人で空を見上げてた

遠くからブラスバンドの音が聴こえてた

君の横顔を西日が赤く照らしてた

二人だけの秘密の夢の約束を交わした

ノートの片隅に、二人の夢を書いた

そして、二人だけの空へ、紙飛行機にして飛ばした

もうすぐ夏休みも終わる

秋が来て、冬が過ぎて、春が来れば、僕達は卒業する

あの日の約束は、まだ、この胸に刺さったまま